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第21期高野山真言宗 神奈川青年教師会  


by 18ksk

歌津の名産。

・・・・前回の続きです。
前回書き忘れたのですが、津波によって浄水場が壊滅状態になり、
この場所は水道の復旧に早くて「2年」かかるとのことです・・・・・。


さて・・・・
三陸、歌津の名産品は、肉厚のワカメと、ウニと、ホタテ。

地元の方の話では・・・・
津波のせいで、海が濁り、ウニは10年は採れないというのです。
ワカメもホタテも同様、養殖筏などが流されてしまい、設備が無くなってしまった為、
こちらも10年は採れないとのこと。

10年、なんという・・・・・長い月日でしょうか。
さらに地元の方々は話を続けます。

「肉厚のワカメ、あれを食べたら、他のワカメなんて食べられない。
本当に美味しいんだ、食べさせてあげたいよ!」

・・・と、話していると、おばあちゃんが半壊した家の中のクーラーボックスの中から、
何やら入った容器を出してきて、言いました。

「炊き出ししてくれたあなた方に、お礼がしたい。何もないけど、これを食べて欲しい。」

差し出されたのは、お手製の塩漬けのウニ。

クーラーボックスは、津波に呑まれたものの、中身は無事で残っていたものだそうです。
今後10年採れないであろう地元のウニを、地元の誇りを、
横浜から初めてこの地に来た僕らに食べさせたいとおっしゃるのです。

そんな大事なものを!!
と、はじめは遠慮しました。けれど、おばあちゃんの気持ち、受け取ることにしました。
仲間の皆で、分け合って少しずつその場で食べました。

・・・塩漬けのウニは、口の中に入れると潮の香りが広がって。


横浜あたりのお店で買うものとは、当然ながら「格」が違うのがわかり、
それよりもおばあちゃんの「地元を愛する気持ち」が、広がります。
心が、締め付けられるような感覚と同時に、やさしい気持ちにさせられる何かがそこにありました。

震災の復興への願い・・・・
おばあちゃんのウニが、想いの全てを物語っている気がしています。


おばあちゃんだけでは無くて、みんな、それぞれに想いがある。
それに対して何か協力したいという想いに強く駆られました。

あのウニを、もう一度みんなで笑顔で食べられる日が来るまで、皆で支援の輪を広げて行きたいと思っています。





追記:
避難所だけではなく、自宅に居る方々も報道こそされないものの、大変に苦しい生活を続けられております。
復興には皆様の支援が必要なのです。
地域の行政に携わっていた方々も多く被災され、お店も、道路も、全てが無いと言える状況です。
少しでも多くの人の助力となり、少しでも早い復興をめざして支援の輪を広げていきましょう。
by 18ksk | 2011-04-18 10:30 | 被災地支援活動