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第21期高野山真言宗 神奈川青年教師会  


by 18ksk

衣と袈裟とファッションショー。

5月23日横浜市内の特別養護老人ホーム若竹苑にて
「お坊さんの衣帯ファッションショー」を開催しました。

先日、浜松市内で行われた高野山真言宗青年教師会主催の
「高野山ふれあいフェスタin浜松」で好評だったということで、
この企画を立ち上げ、お坊さんの衣などを皆様の前で発表しようと思ったのがきっかけです。
昨今、あちらこちらでこういった催しがあるようですね!
宗派によっても様々で、目にする機会はそう無い「衣と袈裟」
そこには文化や思想があり、歴史や伝統が詰まっています。

さて、僧侶の着る「衣」っていくつあると思いますか?
私たち、僧侶は黒い衣に黄色の袈裟をつけたり、時にはきらびやかな袈裟をまとうことが多々あります。
その他にも、あまり着ることや見ることのない衣を、各お寺さんから持ってきていただきました。
実は僧侶も、きちんとTPOによって着るものが違うのです。
また真言宗では、「威儀を整える」と言って、
キチンと衣を着ること、袈裟を纏うことも「説法」のひとつとして重要視されているのです。

衣と袈裟とファッションショー。_c0221206_16432670.jpg

(写真は法会の様子)
さて、ひとつ取り上げて解説を致しますね。

たとえば袈裟といえば、黄色いマントのような「如法衣」があります。
上の写真の右左の僧侶が纏う袈裟です。

この、袈裟は諸説ありますがインドで着ていた糞掃衣(ふんぞうえ)から由来されます。
出家した仏教者は私財を持つことが出来ません。そこで、出家したものは使い古しの布を繋ぎあわせ一枚の布にして身にまとっていました。これを「糞掃衣」といいます。
その衣は、一般の人と区別するためにウコンなどの染料によって染められました。

そして、お坊さんはさまざまなところへ行くにつれ、下に衣を着たりするようになります。

時は流れ中国に入ると今度はたくさんの方々からお坊さんへ布を寄進されるようになり、
糞掃衣とは違い良い素材になるのです。
(お金よりも布が重要な時代でした。布施の由来になったとも言われています)

ですが、糞掃衣の精神は忘れずにその頂いた布は、
やはり伝わってきた同様に縫い合わせて一枚の袈裟にしてまとうようになりました。
その袈裟を今でも私たちは纏っているのです。
如法衣をピックアップしましたが他にもたくさんの衣があります。


今回は初回ということで、もう少しうまくできたかな??と、いう僧侶達からの感想も。
そこからまた学び、またの機会に活かしたいと思います。

合掌
by 18ksk | 2011-05-30 16:57 | 済世