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第21期高野山真言宗 神奈川青年教師会  


by 18ksk
3月末に初めて高野山真言宗神奈川青年教師会が被災地に赴き、
支援活動、読経供養をしてきた時のことを
横浜市西区、赤門町の東福寺増田真祐師が書き起こして下さいました。
ご報告も兼ねまして、ここに掲載させていただきます。
お読みくださいませ。 ↓

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陸前高田という一つの街が、この土地にあったとは思えない、
思いたくない光景が目の前に広がっていました。
地表にある建物は津波によって押し倒され、引き波で根元から引き剥がされ、
暗い海の奥底に何もかも引きずり込まれてしまったかの様。
全てをさらわれた地表には、まるでこれから家を建てる分譲地のように、コンクリートの基礎ばかりが無惨に残り、海からのヘドロが乾いて土ぼこりとなり、荒野となってしまった地表に吹き始めていました。
 
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大震災から十七日後、青年教師会の十七名が被災地に入りました。
三月二十七日の夕方、横浜駅ならびにセンター南駅周辺で托鉢し、
街行く方々から預かった浄財と共に、トラックと自家用車四台に物資を満載して、その晩に出発。
明け方に陸前高田市へ到着し、まず眼にしたのが前記の光景でした。
その後、街中に車と船と瓦礫が幾重にも重なりあう気仙沼港周辺を抜けて・・・
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石巻市に入り、避難所となっている住吉中学校と隣の小学校に向かい、まず二ヶ所で夕食時間に合わせ炊き出しさせて頂きました。
 

配給のお米を炊く自衛隊に紛れて、校舎の昇降口で野菜を切り大鍋では豚汁の準備。
大セイロでは何重にも重ねて中華まんじゅうを蒸かしました。
出来上がりの頃になると中学生達が出てきて
「うあぁ〜おいしそぉ〜!これなら毎日食べても絶対飽きないよぉ!」
と喜びの声。自衛隊からの配給は毎日白いご飯だけです。
如何に充分な食事が行き届いていないかを、この一言が物語っており、出来上がった五百食近くの豚汁と中華まんじゅうは、あっという間に皆様へ残らず行き渡りました。

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炊き出しの片付け後、たまたま借りられた公民館にて各自持参した寝袋に入り一応眠りにつきましたが、
寒さのため何度も夜中に目を覚ましながら翌朝を迎えました。
お世話になった公民館を後にすると、そのすぐ近くでは自衛隊の張った相当数のテントを目にしました。
毎日が不眠不休で、更には夜の寒さにも耐えながら、ひたすら被災地復興のために尽力される自衛隊の方々。現地で自衛隊員はヒーローとして眼に映ります。
この方々の援助無くしてこの地の復興はあり得ない。迷彩色のテントの数々に感謝と敬意を以て手を合わせ、次の被災地に向かいました。
 
二日目は南三陸町に向かい、女性職員さんが防災無線放送で住民に避難を呼び続けながら亡くなられて逝った、津波被害の象徴とも言える防災対策庁舎の前で、心を込めての読経。

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その後、南三陸町のさらに奥にある支援の手が届きにくい歌津という集落に向かい、物資を届け炊き出しをし、夜通し車を走らせて、明け方無事に横浜へ戻って参りました。
 
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・・・・つづきます。
# by 18ksk | 2011-06-10 14:13 | 被災地支援活動
男山八幡神社という所の隣に、その保育園はあります。

原発の被害により、やむを得ず。
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こういった位置にあるのです。


しかしながら、園児たちはパワー全開!!
ここでは小さな肉まん・あんまん・角煮まんの3種類を提供!!

横浜の正華という会社でご提供頂いたものです。

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ちょうどテレビクルーも取材に来ていました。NHKかな?
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肉まんも蒸かしあがって、いよいよ子供たちへ配食!!
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美味しそうでしょう??
・・・・美味しいんです!!!
あんまんには松の実が入っていて、これがまた美味しい。
肉まんもジューシー。


食べる前に、子供達から、僕らへ、お礼のプレゼントがありました。
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こんなことされたら、嬉しさと感動で泣いてしまうではないか・・・・・!!
励まされたり、暖かな心をいただくのは、やはり僕達。


このあと、いよいよおやつ!!
子供たちも1個を半分に割ってさましながら3つの味を楽しんでいました。
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子供にも、仕事があります。
働かざるもの、食うべからず。

子供達の仕事、それは・・・・・・








遊ぶことだ!!
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この風船を膨らます間、外では時間を稼ぐ為にシャボン玉でファンタジックに演出。
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静岡からいらしていたボランティアさんも、輪投げ遊び企画!
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子供が笑う、子供が元気、というのは、大人まで元気になるものです。
子供を育てる、というものは未来を育てること・・・とは良く言ったものです。


皆、この福島の子供達を避難させたほうが・・・という言葉も良く聞きます。
けれども、少し待ってください。
ここに住んでいる方々の気持ち、生活は住んでいる方々が決める事だと思うのです。
私達が「支援」をすることが大切なのであって、決して主体になるのではないのです。


少しずつでも、支援の輪を広げていくこと。
その努力を皆でしていきたいですね。


追記。

・・・・今回、洗濯洗剤300個と、食器洗剤300個を避難所にお届けしたのですが、
買い求めた先のお店、「セブンイレブン横浜恩田町店」のオーナー様が食器用洗剤300個を自費にて提供して下さいました。本当に有難う御座いました。避難所の皆様に成り代わりまして、御礼申し上げます。
# by 18ksk | 2011-06-04 15:59 | 被災地支援活動
宿での朝食の時間。
ふと気が付いたのは、こちらの宿にも避難している方々が大勢いらっしゃるということです。
飯館村の方、南相馬市の方々・・・・
避難所だけでは無いという現実。

家もある、畑もある・・・・という方々が原発の事故によって生活そのものを奪われるという事実。
私達はそこから学ばせて頂き、同じことを繰り返さない世の中・・・を作っていくことに努力をしないといけない。
少なくとも筆者はそう思っております。

さて、6月3日の日程は、

2ケ所の避難所でのお昼ご飯の炊き出し。
なかよし保育園での15時のミニ肉まん・あんまんの炊き出し。
の、3つ。

最大3部隊に分かれての炊き出しなのです。
これは初挑戦。
ですが、炊き出しの猛者になるべく研鑽を積んだ僧侶達の底力。
難なくこなして、美味しいものを提供するんだ!

こちらは原町区部隊の避難所での炊き出し風景
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お不動様のような炎・・・・

こちらは鹿島区部隊の避難所での炊き出し風景
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保健センターという施設なのです。
近くには多くの仮設住宅が建設中でした。


そして、お弁当はこちらの写真でお楽しみ下さい。
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どうでしょ??
美味しそうですか??

本当でしたら、避難所の方々の笑顔を皆様にお伝えしたい・・・・のですが、
撮影は出来ないのです。
しかしながら、大好評!!
1日を美味しいものを食べて、少しでも元気になって過ごして頂きたい。
その一心で作っているのです。


さて、片づけて保育園へ合流。
ここは原発退避圏内にある保育園などが合同で保育園を営んでいる所・・・・
今度は子供たちに美味しいものを食べてもらうんだ!!
# by 18ksk | 2011-06-04 14:45 | 被災地支援活動
再びの南相馬市支援活動へ行って参りました。

今回は総勢12名での炊き出し活動。
4カ所の避難所全てでの炊き出しをするのが目的です。

食べる事は、生きることです。

朝5時半に出発、途中市場に立ち寄り、食材を調達して、一路東北道。
横浜~南相馬へはだいたい6時間ちょっとを見ておくと良いかもしれません。


今回初参加の僧侶が居たので、まずは津波の被害の爪痕を視察。
これは実は重要なことで、被災された方々がどういう想いをされたのか、
どんな状況に置かれているのか・・・・を自分で感じ、そして想いを巡らせるには重要なのです。

想像すること。
それはとても大切なことです。

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どんな写真を撮っても、実際の惨状に追いつくことは出来ません・・・・。

相馬市より南相馬市へ向かいます。
13時を回っていましたので、お昼休憩をとることに。
お昼は鹿島区にある「すずき食堂」さんへ。
前回、先発隊が食事をした場所でもあります。
因みに筆者はここの「カツ丼」が大好きです。美味しい!!
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店内には地元の有名な祭り、「馬追い」のポスター。
小規模ながら今年も開催する動きがあるようです。
テレビでの特集での話ですけれど。いつものようには出来ないだろうとのこと。
お祭りというのは、非常に大切なもの。地元の絆深め、伝統を受け継ぐということは、
その土地の魂を受け継ぐということでもあります。

しかしながら、馬追のホームページを見ると、開催は決定されてはいない様子。
応援したいものです。


このあと、
南相馬市にある【遺体安置所】に向かいました。
まだまだ身元の分からない方々がいらっしゃるのです。
私達が到着したとき、棺が運び出されて行きました。
火葬・・・が決まったのかも知れないですね。

僧侶も皆、衣と袈裟を身に纏っての献香、読経。
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・・・・心からの祈りを捧げ、それぞれの胸中に複雑な気持ちが。
この気持ちを大切に支援に向かうことを誓いながら、原町区の避難所のある中学校へ。

原町第二中学校はボランティアに来た方々への「宿泊所」としての機能があります。
体育館に素泊まり出来るのです。
ボランティアに行かれる方々は、きちんとボランティアセンターに登録をして、話を伺ってみて下さい。

6月2日の炊き出しは、2か所同時での炊き出し。
原町第二中学校と、石神第一小学校。
メニューは両方とも同じ、「ステーキ弁当」です。

こちらは中学校部隊。
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お肉の大きさを見て下さい。
質も大変良いものです。
以前、石巻渡波で行ったサイコロステーキ丼ぶりで使った、
「アメリカンポーク・アメリカンビーフ」の提供で行っております!!
お肉の提供、感謝!!


こちらは小学校部隊。
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テントを張って、雨をよけながらの準備です。


坊さんが「肉を焼く」という所がなんとも・・・・笑いのネタにもなりそうですが、
お弁当は好評でした!!!
単なる丼ぶりものじゃ、ないのです。
お弁当に仕立ててあります。お弁当の写真はまたあとの記事で。


有難うの声に、励まされたのは実は僕達でした。
いつも、そうなのです。


片づけを終え、再び合流。
福島県の飯坂市に行って、宿で就寝。
到着22時、就寝24時でした・・・・。
遅くまで待って下さった宿の方々、本当に有難うございます。
# by 18ksk | 2011-06-04 14:17 | 被災地支援活動
5月23日横浜市内の特別養護老人ホーム若竹苑にて
「お坊さんの衣帯ファッションショー」を開催しました。

先日、浜松市内で行われた高野山真言宗青年教師会主催の
「高野山ふれあいフェスタin浜松」で好評だったということで、
この企画を立ち上げ、お坊さんの衣などを皆様の前で発表しようと思ったのがきっかけです。
昨今、あちらこちらでこういった催しがあるようですね!
宗派によっても様々で、目にする機会はそう無い「衣と袈裟」
そこには文化や思想があり、歴史や伝統が詰まっています。

さて、僧侶の着る「衣」っていくつあると思いますか?
私たち、僧侶は黒い衣に黄色の袈裟をつけたり、時にはきらびやかな袈裟をまとうことが多々あります。
その他にも、あまり着ることや見ることのない衣を、各お寺さんから持ってきていただきました。
実は僧侶も、きちんとTPOによって着るものが違うのです。
また真言宗では、「威儀を整える」と言って、
キチンと衣を着ること、袈裟を纏うことも「説法」のひとつとして重要視されているのです。

衣と袈裟とファッションショー。_c0221206_16432670.jpg

(写真は法会の様子)
さて、ひとつ取り上げて解説を致しますね。

たとえば袈裟といえば、黄色いマントのような「如法衣」があります。
上の写真の右左の僧侶が纏う袈裟です。

この、袈裟は諸説ありますがインドで着ていた糞掃衣(ふんぞうえ)から由来されます。
出家した仏教者は私財を持つことが出来ません。そこで、出家したものは使い古しの布を繋ぎあわせ一枚の布にして身にまとっていました。これを「糞掃衣」といいます。
その衣は、一般の人と区別するためにウコンなどの染料によって染められました。

そして、お坊さんはさまざまなところへ行くにつれ、下に衣を着たりするようになります。

時は流れ中国に入ると今度はたくさんの方々からお坊さんへ布を寄進されるようになり、
糞掃衣とは違い良い素材になるのです。
(お金よりも布が重要な時代でした。布施の由来になったとも言われています)

ですが、糞掃衣の精神は忘れずにその頂いた布は、
やはり伝わってきた同様に縫い合わせて一枚の袈裟にしてまとうようになりました。
その袈裟を今でも私たちは纏っているのです。
如法衣をピックアップしましたが他にもたくさんの衣があります。


今回は初回ということで、もう少しうまくできたかな??と、いう僧侶達からの感想も。
そこからまた学び、またの機会に活かしたいと思います。

合掌
# by 18ksk | 2011-05-30 16:57 | 済世